2022-03-07

東大話法規則一覧

活字文化の担い手「新聞配達員」を救え!

 ・魂の脱植民地化
 ・東大話法規則一覧

『生きる技法』安冨歩
・『子は親を救うために「心の病」になる』高橋和巳
・『消えたい 虐待された人の生き方から知る心の幸せ』高橋和巳
『身体が「ノー」と言うとき 抑圧された感情の代価』ガボール・マテ

東大話法規則一覧

1.自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
2.自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
3.都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。
4.都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す。
5.どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々で話す。
6.自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する。
7.その場で自分が立派な人だと思われることを言う。
8.自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル貼りし、実体化して属性を勝手に設定し、解説する。
9.「誤解を恐れずに言えば」と言って、嘘をつく。
10.スケープゴートを侮蔑することで、読者・聞き手を恫喝し、迎合的な態度を取らせる。
11.相手の知識が自分より低いと見たら、なりふり構わず、自信満々で難しそうな概念を持ち出す。
12.自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。
13.自分の立場に沿って、都合のよい話を集める。
14.羊頭狗肉。
15.わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する。
16.わけのわからない理屈を使って相手をケムに巻き、自分の主張を正当化する。
17.ああでもない、こうでもない、と自分がいろいろ知っていることを並べて、賢いところを見せる。
18.ああでもない、こうでもない、と引っ張っておいて、自分の言いたいところに突然落とす。
19.全体のバランスを常に考えて発言せよ。
20.「もし◯◯◯であるとしたら、お詫びします」と言って、謝罪したフリで切り抜ける。

【『原発危機と「東大話法」 傍観者の論理・欺瞞の言語』安冨歩〈やすとみ・あゆむ〉(明石書店、2012年)】

 東大話法とはエリートによる責任回避を目的とした詭弁である。東大即官僚と考えてもよかろう。

 その遠因はGHQによる公職追放にあったと私は考える。保守派は日本社会から一掃された。同様の方針でプレスコードも行われ、朝日新聞は1945年9月15日付と17日付のたった2日間の業務停止命令を受けて、それ以降左旋回をするのである。

 日本の中枢には戦時中からソ連のスパイがいたが、勝ったアメリカではソ連のスパイが野放し状態であった。GHQの占領政策に深く関与したハーバート・ノーマンもコミンテルンのスパイであった。獄にあった共産主義者を解放し、日教組を設立したのもGHQである。当初はニューディーラーの巣窟であった民政局が占領政策を主導したが、後に保守派の参謀第2部が巻き返す。こうした混乱がそのまま戦後日本史に反映されることとなる。

 東大話法とは敗戦文化であると言ってよい。もはや切腹する官僚(侍)は存在しないし、特攻隊となって散華するエリートもいない。