・魂の脱植民地化
・東大話法規則一覧
・『生きる技法』安冨歩
・『子は親を救うために「心の病」になる』高橋和巳
・『消えたい 虐待された人の生き方から知る心の幸せ』高橋和巳
・『身体が「ノー」と言うとき 抑圧された感情の代価』ガボール・マテ
東大話法規則一覧
1.自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
2.自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
3.都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。
4.都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す。
5.どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々で話す。
6.自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する。
7.その場で自分が立派な人だと思われることを言う。
8.自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル貼りし、実体化して属性を勝手に設定し、解説する。
9.「誤解を恐れずに言えば」と言って、嘘をつく。
10.スケープゴートを侮蔑することで、読者・聞き手を恫喝し、迎合的な態度を取らせる。
11.相手の知識が自分より低いと見たら、なりふり構わず、自信満々で難しそうな概念を持ち出す。
12.自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。
13.自分の立場に沿って、都合のよい話を集める。
14.羊頭狗肉。
15.わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する。
16.わけのわからない理屈を使って相手をケムに巻き、自分の主張を正当化する。
17.ああでもない、こうでもない、と自分がいろいろ知っていることを並べて、賢いところを見せる。
18.ああでもない、こうでもない、と引っ張っておいて、自分の言いたいところに突然落とす。
19.全体のバランスを常に考えて発言せよ。
20.「もし◯◯◯であるとしたら、お詫びします」と言って、謝罪したフリで切り抜ける。
【『原発危機と「東大話法」 傍観者の論理・欺瞞の言語』安冨歩〈やすとみ・あゆむ〉(明石書店、2012年)】
東大話法とはエリートによる責任回避を目的とした詭弁である。東大即官僚と考えてもよかろう。
その遠因はGHQによる公職追放にあったと私は考える。保守派は日本社会から一掃された。同様の方針でプレスコードも行われ、朝日新聞は1945年9月15日付と17日付のたった2日間の業務停止命令を受けて、それ以降左旋回をするのである。
日本の中枢には戦時中からソ連のスパイがいたが、勝ったアメリカではソ連のスパイが野放し状態であった。GHQの占領政策に深く関与したハーバート・ノーマンもコミンテルンのスパイであった。獄にあった共産主義者を解放し、日教組を設立したのもGHQである。当初はニューディーラーの巣窟であった民政局が占領政策を主導したが、後に保守派の参謀第2部が巻き返す。こうした混乱がそのまま戦後日本史に反映されることとなる。
東大話法とは敗戦文化であると言ってよい。もはや切腹する官僚(侍)は存在しないし、特攻隊となって散華するエリートもいない。