2022-03-16

正真正銘の数学の天才・ラマヌジャン

・『妻として母としての幸せ』藤原てい
・『流れる星は生きている』藤原てい
・『若き数学者のアメリカ』藤原正彦
・『遥かなるケンブリッジ 一数学者のイギリス』藤原正彦

 ・正真正銘の数学の天才・ラマヌジャン

・『無限の天才 夭逝の数学者・ラマヌジャン』ロバート・カニーゲル
『祖国とは国語』藤原正彦
『国家の品格』藤原正彦

 ラマヌジャンは「我々の100倍も頭がよい」という天才ではない。「なぜそんな公式を思い付いたのか見当がつかない」という天才なのである。アインシュタインの特殊相対性理論は、アインシュタインがいなくとも、2年以内に誰かが発見したであろうと言われる。数学や自然科学における発見のほとんどすべてには、ある種の論理的必然、歴史的必然がある。だから「10年か20年もすれば誰かが発見する」のである。

【『数学者列伝 天才の栄光と挫折』藤原正彦〈ふじわら・まさひこ〉(新潮選書、2002年/文春文庫、2008年)】

 藤原正彦は『若き数学者のアメリカ』で颯爽と登場し、口述を筆記した『国家の品格』で出版界を席巻した。ご母堂の藤原ていは聖教文化講演の常連で、実は夫君の新田次郎よりも作家デビューが早い。正彦も創価学会とは縁があり、著作を必ず池田に贈っている。

 数学者の文章といえば真っ先に岡潔〈おか・きよし〉が浮かぶ。口の悪い小林秀雄と互角に渡り合った人物である(『人間の建設』)。岡の筆致は剣術の如き鋭さがあるが、藤原の文章は柔らかく薫りが高い。

 戸田のことを「数学の天才」と池田は言ったが、真の天才とはラマヌジャンや岡潔のような人を指す。人類の脳は数学を行うには容量が足りないようで、天才といわれる人物は夭折したり廃人になったりしている。過度の集中力が必要なためドラッグを常用する人物も珍しくない。



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