2018-12-27

軽視される自衛隊員の生命

「世界の軍隊で衛生兵がモルヒネを持つことができないのは自衛隊だけだ」「自衛隊には交戦規定がない」


2018-12-25

半世紀を経ても変わらぬ伝統

『北の海』井上靖

 ・半世紀を経ても変わらぬ伝統

『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』増田俊也

 なぜここまで熱くなれるのかというほどのストレートな情熱だった。はじめのうちざわついていた100人以上の高校生たちは静まりかえった。
「井上靖(やすし)さんの『北の海』という自伝小説があります。これは、ぜひみなさんに読んでほしい本です。戦前の高専柔道の姿がリアルに描かれています。そのなかに大天井(おおてんじょう)という名前の豪傑の浪人生が出てきますが、その大天井のモデルになったのが、いま名大の師範をしてくださっている小坂光之助(こさかみつのすけ)先生です」
 主将が紹介すると、隣に座っていた肩幅の広い老人が立ち上がって頭を下げた。
 君たちは、今日、名大生に寝技に持ち込まれて歯が立たなかったでしょう。何もできなかったでしょう。でも実はうちの部員の何割かは大学から柔道を始めた選手です。君たちも数年間この道場で寝技の猛練習に耐えれば、ああいった寝技を身に付けることができます。それが七帝(ななてい)柔道です――。

【『七帝柔道記』増田俊也〈ますだ・としなり〉(角川書店、2013年/角川文庫、2017年)】

 実は本書で『北の海』を知った。柔道には全く興味がなかったが、それでも読まずにいられない迫力に満ちている。私は中学で野球をしており、2年でレギュラーとなり3年で4番打者を務め、札幌で優勝した。高校ではバレーボールをやり、元国体選手のOBから「あと10cm身長があったら天下を取れる」と言われた。そこそこ努力してきたつもりであった。ところが本書を読んでそんな思いは吹っ飛んだ。努力の次元が違う。自衛隊でもこれほどの訓練はしていないだろう。もはや苦行のレベルである。部員勧誘のオルグ活動にあざとさがないのは、ひたすら勝つことを目指す純粋な思いに駆られているためだ。増田が進学した北大は勝てなかった。最下位から抜け出ることもできなかった。それでも汗まみれ、涙まみれの青春が美しい。七帝柔道は講道館柔道のようなスポーツではない。試合では事もなげに相手の腕を折る。

七帝柔道記 (角川文庫)
増田 俊也
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英ガーディアン紙「中国は世界のメディアでプロパガンダ工作を行っている。日本では毎日新聞だ」

七帝柔道のオルグ活動

 ・七帝柔道のオルグ活動

『七帝柔道記』増田俊也
『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』増田俊也

「僕、吉原に親戚があって、そこの親父さんが亡くなったので、葬式に来たんですよ。来たついでに、沼津中学と静岡中学に優秀な選手が居たら、それを四高へ引っ張ろうと思いましてね」
と言った。
「静中へも行きましたか」
「行きました。選手10人を全部並べておいて、一人残らずみんな締めちゃった」
「ほう」
 ほうと言うほかなかった。今日の調子では、それが大言壮語であるとも思えなかった。この小柄の青年は次々に中学の柔道部の選手たちを締めてしまったことであろう。
「ここらの中学は寝技を知らないから、僕みたいなのにも、簡単にやられちゃいますよ。どうですか、四高へ来て、柔道をやりませんか。みっちり3年やれば相当強くなります。あなた方は立技がきくから、僕みたいに立技を知らない者の寝技とは違って、本当に強い寝技の選手になれる」

【『北の海』井上靖(中央公論新社、1982年/新潮文庫、2003年)】

 井上靖の自伝三部作は『しろばんば』、『夏草冬濤(上)』『夏草冬濤(下)』、本書となる。よもや井上が七帝柔道の経験者とは知らなかった。

 その熱と力に脱帽した。熾烈(しれつ)の度合いが修行の域にまで達している。何にも増して彼らのオルグ活動にはさすがの創価学会や共産党もかなわないだろう。帰省先で目ぼしい選手を見つけ出し、会ったことすらない先輩から熱烈な手紙が届くのだ。旧制四高(しこう)は現在の金沢大学である。大正前半において四高柔道部は7連覇を成し遂げているので名門といってよい。

 井上靖は複雑な家庭環境があり5歳の頃から祖母の手で育てられた。成績は優秀だったが、どこか世間を斜めに見ているところがありニヒリズムに傾いていた。そこで柔道と出会う。

 私にとっては静岡の方言が目新しく、昭和初期の礼儀正しい振る舞いが新鮮であった。

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2018-12-23

御書

 あるお年寄りに御書(日蓮遺文)を読んであげた。相手は私が学会員であることを知らない。手始めに「如説修行抄」を、続いて「諸法実相抄」を読んだ。どちらもほぼ暗記している。お年寄りは吃驚仰天(びっくりぎょうてん)し、素っ頓狂な声で「素晴らしい!」を連発した。読み方の巧拙ではない。私の気魄(きはく)を感じ取ったのだろう。正直に言うと学会っ子の血が騒いだよ(笑)。経験は生かされる。人生の思いがけないタイミングで。

御書に関するFAQ

天皇陛下85歳 平成最後の誕生日会見

2018-12-22

竹山道雄との出会い

 思うに、人間のヒューマニスティックな感情は、ある連帯的な関連の中ではじめて保証された姿をあらわすものではないのだろうか。良心は場所を選ぶのではないだろうか?(「妄想とその犠牲」)

【『西洋一神教の世界 竹山道雄セレクションII』竹山道雄:平川祐弘〈ひらかわ・すけひろ〉編(藤原書店、2016年)】

 今年の読書遍歴では竹山道雄との出会いが最大の収穫であった。個人的に2009年前後からキリスト教関連書籍を読み漁ってきたが、本書と『みじかい命』(新潮社、1975年)で止(とど)めを刺した感がある。私にとってはそれほどまでに強烈であった。「妄想とその犠牲」は『文藝春秋』1957年(昭和32年)11月号、1958年(昭和33年)1~4月号に掲載された評論である。ナチスドイツが行ったホロコーストを凝視し、その原因はキリスト教にありと鋭く喝破している。戦前の日本では同盟国の元首たるヒトラーを手放しで礼賛する言論が他を圧する中で、竹山はたった独りで批判してみせた。「これほどの日本人がいたのか」というのが率直な感想である。

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2018-12-21

斎藤一人「地球が天国になる話」(毒親からの解放)

 かれこれ10年ほど前にCDを手に入れた。斎藤一人〈さいとう・ひとり〉は「銀座まるかん」の創業者で、かつて公開されていた頃は度々納税日本一になっていた人物である。CDは1000円で2枚組×10セットも送られてきたため、何人かの学会員にも贈呈した(※動画は2枚分を収録/最初に紹介した動画は付録であったため差し替えた)。

2018-12-20

排除する組織



猫を救助する犬


 犬を引っ掻くのは猫の本能であり、猫を助けるのは犬の本能なのだろう。フランス・ドゥ・ヴァールは「“思いやり”も本能である」と指摘している。

あなたのなかのサル―霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源
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2018-12-12

自民、参院選「2人目」論に創価学会激高

 ただ、公明にも「対抗策」がある。麻生の2人擁立論について10日に報告を受けた支持母体創価学会の主任副会長、山本武は怒りを押し殺した。「自民が本気で福岡に2人目を出すというなら、九州の他県の選挙区は全て推薦をしない」(2018/12/11付 西日本新聞朝刊

 麻生氏は11年の知事選で小川氏擁立を主導。公明党や当時政権与党だった民主党との相乗りに道筋を付けた。県関係者は麻生氏を「小川県政の生みの親」と評す。
 だが、16年の衆院福岡6区補欠選挙を境に、両者の関係は急速に悪化した。麻生氏は補選で、自民党県連が推す県連会長の長男を支援して敗北。小川氏が「中立」を保ったことに激怒し、以降、県などの行事で小川氏と同席しても会話することさえ拒んでいる。(2018/04/23付 西日本新聞朝刊

 それでも、麻生氏は「3人区は原則2人を出すのが自民党としての責務」と党選対本部に指示。候補探しを続けている。
 自民県連幹部は夏前、公明の支持母体である創価学会の九州幹部との間で「2人目は立てない」と密約を交わした。麻生氏の言動に、公明党県本部幹部は「来春の統一地方選で、自民はうちの支援がほしくないのか」と不信感を抱く。(2018/08/30付 西日本新聞朝刊

 小川洋福岡県知事は、一昨年に行われた衆院福岡6区の補選で、県連推薦候補の選対本部長を務めた麻生氏の応援要請を断った。小川県政の「生みの親」を自負してきた麻生氏の怒りは凄まじく、来年4月の県知事選に向けて新たな知事候補の擁立を図る構えだ。しかし、福博の財界が主体となった小川3選への流れは強まる一方。候補者は見つからず、麻生氏の思いは遂げられそうにない。(HUNTER 2018年9月26日 08:10

2018-12-07

中国共産党によるウイグル人弾圧の実態

 軍事力を持たない民族はかような目に遭う。

2018-12-02

宗教を信じる方が良いと考える割合

 しかもよくよく吟味すれば、それは「自分が信じる宗教」を指すのであって「他人が信じる宗教」はたやすく否定される。宗教という宗教がテキストを重視し、教条に支配されれば、人間の精神は必ず独善に向かう。インドはヒンドゥー教、欧州はプロテスタント、韓国はキリスト教と仏教が多い。