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2019-10-09

中野論文の手引

・「宗教の起源・再考 近年の進化生物学と脳科学の成果から」中野毅〈なかの・つよし〉、2014年

 なんだかんだ言っても創価学会の知性は侮れない。かつて私は『21世紀の宗教研究 脳科学・進化生物学と宗教学の接点』(2014年)という本を愚弄する際にこの論文を紹介した(宗教学者の不勉強/『21世紀の宗教研究 脳科学・進化生物学と宗教学の接点』井上順孝編、マイケル・ヴィツェル、長谷川眞理子、芦名定道)。

 更にタイミングよく2年後には『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』(ユヴァル・ノア・ハラリ)が刊行された。

 中野論文の参考文献の殆どは私も読んでいるが、宗教と科学の間は科学からの進攻によって溶け合い、グラデーションを描く地続きの世界となって現れた。『サピエンス全史』を読めば明らかだがイスラエル人歴史学者が仏教学者以上に仏教を正確につかんでいる。

 意外と見落とされがちな書籍を紹介しておく。リンクを貼るのが面倒なんで「必読書リスト その五」を参照してもらいたい。

『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』ジュリアン・ジェインズ→『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』トール・ノーレットランダーシュ→『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン→『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』レイ・カーツワイル

 この流れを押さえておかないと情報理論に跳ぶことが難しい。また、『奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき』ジル・ボルト・テイラーを読んでいても、『ザ・ワーク 人生を変える4つの質問』バイロン・ケイティ、スティーヴン・ミッチェルに辿り着いている人は少ない。そこまで行くと『わかっちゃった人たち 悟りについて普通の7人が語ったこと』サリー・ボンジャースまで見通せる。

「人類は鉄の発明によって定住と余暇を得た(鉄器が農耕の生産性を上げた)。そこでものを考える人々が登場した。イエスもお釈迦様も孔子も暇な人たちだった」とかつて武田邦彦が虎ノ門ニュースで語っていた。つまり時間的な余裕が「生と死を見つめる眼差し」を生んだのだ。人生の苦しみは病に象徴された。病めば死ぬという時代が長く続いた。そこで頼りになるのは自分と家族、そして宗教だけであった。第二次世界大戦後、工業国では陸続と病院が建設された(『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』アトゥール・ガワンデ、2016年)。僧侶や聖職者の代わりを医師が務めるようになった。患者は医師の言葉を信じて疑うことを知らない。ところがDNAの二重螺旋構造が発見され、21世紀前後から分子生物学が台頭する。それまでの医学が症状という仮諦から原因を探るのに対して、分子生物学は遺伝子という空諦(性分)から発症しやすい病気まで突き止めた。実際のところ人類の寿命が伸びた理由は医学の進歩よりも衛生概念の向上が大きく、幼児の死亡率が低下したことに起因する。

 私が「物語」と呼び、バイロン・ケイティが「ストーリー」と表現したものを、ユヴァル・ノア・ハラリは「フィクション」と指摘した。そして「虚構を信じる力で人類は発展を遂げた」と断じる。

 フィクションの最たるものは国家とマネー、そして宗教であろう。鎌倉時代が日本仏教の黄金期となったのも貨幣経済の発達(『詳説日本史研究』2008年)とは無縁でない。現代人は既に神仏よりもマネーの力を信じている。

 ジュリアン・ジェインズは人類に意識が芽生えたのは3000年前と仮定している。それ以前は右脳が発する声を抑えることができなかった(統合失調症と同じ状態)。脳の左右が分離していたのだろう。ところが言葉(論理、物語)を通して脳は統一された。

『サピエンス全史』の直後に『台湾高砂族の音楽』(黒沢隆朝、1973年)を読んで驚愕した。「高砂族にはフィクションという概念がなかった」というのだ。本は読めば読むほどつながるものである。つまりコミュニティが部族から国家へと向かう中でフィクションは共有されるのだ。完全な封建制は世界でもイギリスと日本にしか存在しなかった(倉前盛通、1980年)。

 卑近な例を示そう。ママゴトに興じている少女は多分フィクションを自覚していない。彼女は本気で「母親」になっている。演劇とは似て非なるものだろう。人類が言葉で歴史を綴った時、ほぼ同時に演劇も誕生したに違いない。日本では歌舞を神に奉納した(神楽→猿楽→能)。

 ブッダやクリシュナムルティはこうした言葉の虚構性を打ち破ったわけだが、話が長くなってしまうので今日はこの辺で。

神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡
ジュリアン ジェインズ
紀伊國屋書店
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ユーザーイリュージョン―意識という幻想
トール ノーレットランダーシュ
紀伊國屋書店
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動物感覚 アニマル・マインドを読み解く
テンプル グランディン キャサリン ジョンソン
NHK出版
売り上げランキング: 131,463

ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき
レイ・カーツワイル 井上 健 小野木 明恵 野中香方子 福田 実
NHK出版
売り上げランキング: 30,730

2018-12-02

宗教を信じる方が良いと考える割合

 しかもよくよく吟味すれば、それは「自分が信じる宗教」を指すのであって「他人が信じる宗教」はたやすく否定される。宗教という宗教がテキストを重視し、教条に支配されれば、人間の精神は必ず独善に向かう。インドはヒンドゥー教、欧州はプロテスタント、韓国はキリスト教と仏教が多い。

2018-06-01

宗教のビジネスモデル

2016-03-03

カルト





・創価学会って、なぜフランスでカルト認定されたのですか?

2016-02-04

宮台真司「宗教について」

2015-04-25

宗教の本質は命令と禁止にある

 ジェロニモについて行きたければついけ行けばいいし、行きたくなければ、行かなくていい。一人ひとりに権限があるので、それぞれがやりたいようにする。「するべきだ」という言葉はアパッチ族の言語に存在しない。「強制する」という概念は、彼らには理解しがたいものだ。

【『ヒトデはクモよりなぜ強い 21世紀はリーダーなき組織が勝つ』オリ・ブラフマン、ロッド・A・ベックストローム:糸井恵〈いとい・けい〉訳(日経BP社、2007年)】

 再掲。宗教とは、「せよ」という命令であり、「するな」という禁止である。人間を鋳型に嵌(は)めるのが宗教機能といってよい。もちろん本来は違う。コミュニティ形成に伴って戒律が生まれ、やがて社会が構築されると法律と化す。初期経典に人間を束縛する強制性は感じられない。サンガが発生した頃に「決まり」と化したのであろう。

 アパッチ族の関係性は理想的だ。しかし白人との戦争には敗れた。この事実が重い。結局、戦争を回避し得ない限り、軍隊的な組織に優位性があるのだろう。

 創価学会が発展した原因はいち早く組織化を成し遂げたところに求められる。確固たる命令系統が強味であった。しかし各人が自分の頭でものを考えるようになると命令は機能しない。組織が弱体化し、力のないリーダーが増えると、「だったら、あんたが自分でやれよ」と言われたら、それまでである。

ヒトデはクモよりなぜ強い

2014-12-28

新宗教の信者数最新ランキング

【1位】幸福の科学/11000000
【2位】創価学会/8270000(世帯)
【3位】立正佼成会/3111644
【4位】顕正会/1670000
【5位】霊友会/1390248
【6位】佛所護念会教団/1240689
【7位】天理教/1209421
【8位】パーフェクトリバティー教団/934489
【9位】真如苑/909603
【10位】世界救世教/835756
【11位】崇教真光/800000
【12位】妙智會教団/654046
【13位】世界基督教統一神霊協会/600000
【14位】生長の家/586973
【15位】円応教/456902
【16位】金光教/429975
【17位】念法眞教/416931
【18位】神慈秀明会/360000
【19位】阿含宗/356841
【20位】ほんみち/318985
【21位】本門佛立宗/300306
【22位】中山身語正宗/294930
【23位】黒住教/272565
【24位】大乗教/255198
【25位】光明念佛身語聖宗/231610
【26位】神理教/221518
【27位】世界真光文明教団/220000
【28位】ものみの塔聖書冊子協会/216472
【29位】妙道会教団/213100
【30位】天光教/170377
(※『宗教年鑑 平成25年版』より)

 因(ちな)みに幸福実現党の比例区得票数は26万111票(2014年12月14日衆院選挙/2012年12月16日衆院選は21万6150票)である。各教団それぞれが水増しをしていると思われる。創価学会の場合は会員が死亡しても減らさない。

2014-07-23

救われようとする者は救われることがない



2014-04-28

「宗教の起源・再考―近年の進化生物学と脳科学の成果から―」中野毅


2014-04-16

善き教えはひとりでに広まっていく

2014-03-26

制度宗教の世俗化と近代化


・スタークとイアナコーニは、世俗化論一般を批判する際に、宗教に市場経済モデルを適用して、制度宗教を宗教企業、信者を宗教消費者ととらえる

2014-03-23

行為と理論の方向性


 これは悟りともいうべき発見であった。教祖と信者の方向性と言い換えてもよい。神仏を言葉の範疇(はんちゅう)に収めたのが教義だ。

2014-03-11

ソースコード


・宗教OS論の覚え書き

2014-02-17

信じる行為は常に飛躍をはらんでいる

2014-02-16

グルに従う人々

2014-02-07

佐村河内守のゴーストライター事件に関する覚え書き

・佐村河内守さんの「耳が聞こえないと感じたことはない」 ゴーストライター新垣隆さんの会見全文
















・物語の本質

2014-01-31

【オウム裁判】「事件に関わった者の責務」とは何か


「教団は、信者たちが得られる情報を限定し、考える力と機会を奪うことで、自分の行為が何をもたらすかについて思いを巡らす想像力を失わせ、責任も持たない人々を量産した」との指摘が重い。教義を押し売りする教団は犯罪の隣り合わせに位置すると考えてよい。尚、オウム真理教をカルトと扱うのは誤りだ。犯罪へジャンプした彼らの純粋性こそ宗教的行動の典型であるからだ。宗教は元々世俗の価値観を否定するところから生まれる。このため大半の宗教が法律や常識を軽んじている。これは何も宗教に限ったことではない。濃密なコミュニティ傾向が顕著な団体は企業であろうと村であろうとカルト的な体質を有している。

2014-01-27

「精神が安定すると退廃の道をたどる」クリシュナムルティ


・「神はいない?」偉人たちの無神論的な50の格言:らばQ

2014-01-20

「高3女子神隠し」の衝撃背景