2013-05-07

みなもと太郎作『教学博士』

呉●ほかにも仏教を宗派の側から描いたマンガはあるけど、やはり創価学会系の第三文明社からいくつか出ていて、なかでもみなもと太郎の『教学博士』っていうのが名著なのね。仏教がものすごくよくわかる。

宮崎●『教学博士』は聖教新聞社の聖教コミックスですね。『仏法おじさん』とかもあった(笑)。第三文明社からはDBコミックス『豊くんの仏法セミナー』シリーズとして『天魔3000年!』『修羅の正体!!』『人類み~んな「十界論」』の3巻が出ています。まあ内容は言わずもがな……ですが。

呉●『教学博士』は最後のところがやっぱり宗教としての飛躍だなと感じたけど、大まかな解説としてひじょうにわかりやすい。ただ、今では創価学会としては表に出したくないらしい。

宮崎●え、どうしてですか?

呉●日蓮正宗原理主義的で、昨今の創価学会との乖離(かいり)が出たかららしいね。

宮崎●みなもと氏のような大家でもそういう軋轢(あつれき)が生じ得るのですね。部外者にはどこに乖離が生じているのか検出できないけど。

呉●私もそう思うんだがね。

【『知的唯仏論』宮崎哲弥、呉智英〈くれ・ともふさ〉(サンガ、2012年)】

 マンガに造詣が深い二人であることは知っていたが、「どんだけ読んでいるんだよ!」ってなレベルだわな。


『教学博士』は私も愛読した。小学生から中学生にかけて100回以上読んでいる。

 二人が絶賛している『祝福王』の作者たかもちげんが創価学会員であるとは知らなかった。わたしゃ、リアルタイムの連載で読んでいたんだよね。

 それにしても宮崎の知識は豊富だ。宗教界で彼に伍することのできる人物が果たして何人いることやら。

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宮崎哲弥