キリシタン時代に日本にやってきた宣教師は、最初は日本の仏教が東南アジアの仏教と同じ起源をもつ宗教だと気がつかなかったほどです。
【『日本仏教史 思想史としてのアプローチ』末木文美士〈すえき・ふみひこ〉(新潮社、1992年/新潮文庫、1996年)】
別物と考えるべきだろう。日蓮思想といえども結局は比叡山の内部論理から導き出されたもので、ブッダから遠ざかり久遠本仏を奉るようになってしまった。神智学協会を比叡山とすれば、日蓮は星の教団という位置になる。いみじくも神秘時代に書かれたクリシュナムルティの著作『大師のみ足のもとに』には「オカルティズム(密教)」という記述がある。
・末木文美士