2016-03-10

「緒方貞子さんが語る ルワンダの教訓」だってさ(笑)

ルワンダ虐殺から20年 緒方貞子さんに聞く(NHK)

「緒方貞子さんが語る ルワンダの教訓」だってさ(笑)。

 この本は、殺戮されたおびただしい人びとに代わっておこなう【魂の叫び】であり、権力にしがみつこうとする人びととは想像上の差異を有するという理由で、マチェーテ〔山刀〕で切り裂かれた人びとへの鎮魂である。またこれは、典型的な冷戦期の平和維持部隊のための規則書(ルールブック)では想定されていなかった課題に直面し、有効な解決法を見出すことができなかった一人の司令官の物語である。あたかもその懲罰であるかのように、自分の部隊の何人かが命を落とすのを、一つの民族集団を絶滅させようとする試みを、胎内から出てきたばかりの子供が殺されたのを、薪のように積み上げられた無数の手足を、陽の光にさらされて腐ってゆくばらばらにされた死体の山を、私はこの眼で見たのだ。

【『なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか PKO司令官の手記』ロメオ・ダレール:金田耕一訳(風行社、2012年)】

 当時、国連で難民高等弁務官を務めていたのが緒方貞子であった。彼女はルワンダの大虐殺を傍観しただけではない。虐殺者に人道援助まで施したのだ。どうやら緒方の辞書に「良心の呵責」という言葉はないようだ。

 映画『ホテル・ルワンダ』でニック・ノルティが演じたのがロメオ・ダレール役である。原書は2003年に刊行されカナダでベストセラーに。翌2004年、虐殺事件から10年後の追悼式典に出席するためルワンダを再訪をした(動画参照のこと)。

 カナダ軍の中将であったロメオ・ダレールはルワンダからカナダに帰国後、自殺未遂をしている。快適なオフィスで働く緒方貞子とは住む世界が違うのだろう。






なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか―PKO司令官の手記

ルワンダ