実際に共産党体制を体験したことから、共産主義への深い考察力をもつ。「共産主義はこの世の王国の宗教であり、彼岸世界も、どんな精神世界をも、最終的にかつ決定的に否定する宗教である」として、共産主義思想を宗教として分析、批判している。共産主義はあらゆる宗教的な特徴をもつとしており、例えば、マルクスやレーニンの書物を「聖書」として解釈を許容するが批判は許さないこと、国民を信者と非信者に分別し、信者も正統と異端に峻別すること、異端を破門や極刑に処すること、人間に搾取や階級的不平等などの「原罪」が存在すること、貧困のない「神の国」の到来を予言することなどを挙げている。さらに、共産主義の教義がユダヤ教の至福千年王国説、救世主思想、選民思想にあることを指摘。
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