いやはや勉強になった。創価大学の夏季スクーリング全部を足してもこの講演にはかなわない。学問に忠実な姿勢が独特の冴えを見せる。更に講演ではありながら、聴衆の反応をきちんと受け止めた対話となっていることも見逃せない。
私は東京裁判史観を否定する立場なので小林の説に同調することはできない。小林は「愚かな戦争」と言っているが、日露戦争や大東亜戦争を経ることなしにアジア各国の独立はあり得なかった。500年続いた植民地状態は更に継続されたことだろう。また首相の靖国参拝について小林の論理は原理に傾きすぎている。諸外国のリーダーが戦没者を慰霊するのも全て憲法違反となってしまう。憲法は慣習法である。日本の民俗宗教が神道である以上、私は何の問題もないと考える。更に国家の外交力は軍事力の裏づけがあって初めて力を発揮することを見失ってはならないだろう。