2015-12-07

雑誌『潮』について


「社会的に重大な問題に切り込んでいた」と言い切るのは甚だ疑問である。1971年といえば、時代の回転がまだ左巻きであった。知識人とは左翼を意味した。創価学会は新興宗教のため、日本の伝統を否定的に扱う傾向が強い。結果的に反日・左翼的な方向性に陥りがちだ。この流れは現在にまで受け継がれており、具体的には徳留絹枝〈とくどめ・きぬえ〉による『アンブロークン』紹介記事「外国人捕虜の物語が日本人に問いかけるもの」(『潮』2012年9月号)がある。私が知ったのは丸谷元人〈まるたに・はじめ〉著『日本軍は本当に「残虐」だったのか 反日プロパガンダとしての日本軍の蛮行』(2014年)でのこと。『アンブロークン』はアンジェリーナ・ジョリー監督により映画化される。どちらもアメリカでは評価が高いようだ。一般論として日本軍批判は積極的に行われて然るべきだと考える。ただし最低限でも第一次世界大戦後のパリ講和会議で日本が「人種的差別撤廃提案」をしたことや、アメリカにおける排日移民法(1924年)を踏まえるのが当然である。『潮』の左翼偏向ぶりは本多勝一の「貧困なる精神」を連載したことからも明らかだろう。10代から20代にかけて私は『潮』を熟読し、本多勝一を愛読してきた。気づかぬうちに「心情左翼」(小林よしのりによる造語「サヨク」と同義)となっていた。こうした流れは左翼のプロパガンダによるものではなく、マッカーサーによる占領政策の影響が現在にまで及んでいる。

日本軍は本当に「残虐」だったのか―反日プロパガンダとしての日本軍の蛮行