2021-12-15

死と悟り

 うわ、わたしって、すごく変でびっくりしちゃう生きもの。生きてる! これって生きてるってことよね! 海水がふくろにいっぱいに詰まってるのよ。ここで、こんなかたちで、意識のある心があって、このからだは生きるための乗り物。ひとつの心を分け合う、数兆の細胞のカタマリ。それが今ここで、命として栄えてるってこと。スゴイ、これってスゴイよね! わたしはさいぼうでできた命、ううん、器用な手先と認識の心をもった、分子でできた命なんだわ!

【『奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき』ジル・ボルト・テイラー:竹内薫〈たけうち・かおる〉訳(新潮社、2009年/新潮文庫、2012年)】

 リンクを貼るのが面倒なんで、記事下の「ラベル」から跳んでもらいたい。私は本書を読んで、「死ねば仏ってのも満更嘘ではなさそうだな」と思った。上記テキストはジル・ボルト・テイラーが浴室で脳卒中になった瞬間に起こった意識の変容である。訳者の竹内は病状を示すために平仮名を多用していると思われる。脳は死ぬ瞬間にドーパミンを大量に放出する。一生が走馬灯のように浮かぶのもドーパミンの成せる業(わざ)だ。脳機能は同時並列で全開となるため、ひょっとすると永遠を体験できるかもしれない。いや、ホントの話だよ。ジル・ボルト・テイラーの変容も預流果(よるか)である。

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