2018-10-28

江戸の識字率はほぼ100%

 江戸の識字率は、世界でもまれに見るくらいの高さでした。江戸市内だったら、ひらがなに限っていえば、ほぼ100パーセントで、当時のロンドンやパリと比べても群を抜いています。絵草紙(えぞうし)でもなんでも、漢字の脇に仮名が振ってあれば読めました。ただし、黙読ができないので、声に出して読まないと頭の中に入っていきません。高札場(こうさつば)などに御触(おふ)れが立つと、集まった人々が各々声に出して読むので、輪唱のようになってしまいます。貸本(かしほん)などでも、座敷の中でひとりが読んで、女性が出るところになると「じゃあ、女将(おかみ)。ここから読んでくれ」と、バトンタッチして、それをみんなが聞くというように4~5人で楽しみました。

【『お江戸でござる』杉浦日向子〈すぎうら・ひなこ〉(ワニブックス、2003年『お江戸でござる 現代に活かしたい江戸の知恵』杉浦日向子監修、深笛義也〈ふかぶえ・よしなり〉構成/新潮文庫、2006年)】

 戦後、日本の歴史学はマルクス史観に汚染されてしまった。進歩という物差しを当てれば、戦前は暗黒時代でなければならない。こうして封建制度=悪という図式が示された。ま、百姓が年貢に苦しめられるってな史観だわな(笑)。

 誤解している人や知らない人が多いが、大東亜戦争で日本はアメリカに敗れたもののイギリス・オランダ・フランスには勝ったのだ。日露戦争で世界史上初めて有色人種国家が白人国家を打ち負かし、帝国主義の下で喘いでいた有色人種は色めき立った。インドのガンディーも狂喜したと伝えられる。大東亜戦争序盤の快進撃もアメリカ黒人などに大きな影響を与えた。それまでは有色人種というだけで誰一人白人と戦おうともしなかったのだ。

 日本を斥(しりぞ)けたアメリカであったが、玉砕するまで戦うことをやめぬ姿勢や、我が身を犠牲にした神風特攻隊を見て、心の底から日本人を恐れた。GHQは占領政策として二度と日本がアメリカに立ち向かってこないよう様々な仕掛けを施した。「眞相はかうだ」という番組をNHKラジオで放送し、日本軍を貶める宣伝工作を行った。謀略の最たるものが憲法の制定である。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」だと? 自国の安全と生存を「諸国民」に委ねる馬鹿がどこにいるだろうか? まして隣には長年にわたって反日教育を行う韓国と中国が控えているのに。

 敗戦後は日本語のローマ字化という案も出されたが何とか回避することができた。文字が変わると歴史が断絶してしまうのだ。

 古き日本は教育大国であった。寺子屋文化が百花繚乱と咲き、児童が素読する声がここかしこで聞こえた。読み書き算盤の素養に加えて外国語の翻訳も盛んだった。現在の中国語でも日本の翻訳語が数多く使われている。発展途上国で英語を学ぶのは世界の知性に触れるためだが、我々は日本語訳で読めるためわざわざ英語を学ぶ必要はない。

 江戸300年は「ミラクル・ピース」と呼ばれる稀有な時代であった。そして武士を要する軍事大国であったため鎖国を通すことができた。近代化に先駆けることができたのも日本人の柔軟性と知性を示す歴史であろう。

 そういえば桜金造は元気なのだろうか?

お江戸でござる (新潮文庫)

新潮社
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