2013-04-30

情報


 クロード・シャノンが道を開いた情報理論では意味を完全に無視する。問われるのはエントロピー(情報量)と圧縮度のみ。

2013-04-29

言語ネットワークが築く縁起の世界


 3年前のやり取りゆえ、私はまだまだ勉強不足であった。最近になってようやく少しまとまり始めたところである。科学的知識を欠いた宗教哲学は文学にすぎないことを知るべきだ。苫米地英人〈とまべち・ひでと〉を軽々と凌駕する若き宗教研究者が必要だ。

人間は不完全な情報システムである/『なぜ、脳は神を創ったのか?』苫米地英人
生命とは情報空間と物理空間の両方にまたがっている存在/『苫米地英人、宇宙を語る』苫米地英人

2013-04-28

創価学会・池田名誉会長の教えに背き悪魔に魂を売った公明党の迷走

藤本順一が「政治を読み解く」

 びゅうろう君のリツイートで知った次第。良心的である分、甘い記事と言わざるを得ない。そもそも「公明党の意志」なるものの存在を疑う必要がある。創価学会の下部組織である以上、公明党の判断は創価学会本部の判断と見てよい。それをあたかも公明党が独立しているようにカモフラージュすることで、学会員からの矛先をかわそうとする狙いがあるように思える。

日蓮がマンダラ&マントラを勧めたのは印刷技術がなかったため










日蓮とマントラ

 私の閃(ひらめ)きが見当違いでなければ、19世紀に新しい宗教が台頭してしかるべきであった。該当する人物は二人いる。アルベルト・アインシュタイン(1879年3月14日-1955年4月18日)とジッドゥ・クリシュナムルティ(1895年5月12日-1986年2月17日)だ。人類の心を結ぶのが宗教であるとすれば、20世紀の宗教は「科学」であるといってよかろう。

 言葉は文字によって永続性を獲得した。ここから「思考」が立ち上がってきたのだろう。歴史上の思索者は書字から生まれたといっても過言ではない。その意味で人類の歴史は文字以前と文字以後に大きく分けることができよう。とすると文明論では印刷以前と印刷以後となるのは明らかだ。文字がなければ人間の考えは条件反射の範囲に収まる。

 更に参考書籍を2冊挙げておく。

宗教を生みだす本能 ―進化論からみたヒトと信仰 インフォメーション: 情報技術の人類史

宗教とは何か

2013-04-27

脳内出血で悟りを開いたジル・ボルト・テイラー

 書籍同様、少々高っ調子ではあるが驚くべき洞察である。右脳は常に悟っている。これが本覚論だ。ジル・ボルト・テイラーはただ単に自らの体験を語っているのではない。彼女は法を説いているのだ。学問と宗教的感情の奇蹟的な融合といってよい。



奇跡の脳: 脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)

日蓮とマントラ

龍を殺す

 宗教は、われわれの子供たちが合理的な教育を受けられないようにしている。宗教は、われわれが戦争の根本的な原因を取除くことを阻止している。宗教は古い峻烈な罪と罰の教義のかわりに、科学的協力の倫理をわれわれが教えられないようにしている。人類は黄金時代の入口にいるとも言えよう。しかし、もしそうだとするならば、まず第一にその扉を守つている龍を殺す必要がある。この龍の名は宗教である。

【『宗教は必要か』バートランド・ラッセル:大竹勝訳(荒地出版社、1959年)】

 キリスト社会で神にノーを突きつけることは、日本人の想像も及ばぬ勇気を必要とする。

アメリカのミネソタ大学の調査によると、ホモセクシャルやイスラム教のグループよりも、一番信頼がおけないのが無神論者のグループであると明らかになったそうです。

 私がバートランド・ラッセルに注目するのは、「アリストテレス以降、最大の論理学者」でありながら数学者でもあるためだ。宗教という宗教が時代に遅れをとったのは合理性を欠いたためであるが、合理性は論理というよりも数学として捉えるべきだ。科学といっても最終的には数学に収まると私は考える。21世紀は数学とプログラミングの時代であろう。

 新しい時代を阻む扉が人間精神を古い鋳型(いがた)に閉じ込める。自由のない世界は必然的に人間を抑圧する。古い教義に信者を縛りつける制度宗教・組織宗教はもう必要ない。

理性主義と神秘主義
バートランド・ラッセルによる自由人の十戒

宗教は必要か

2013-04-26

世の中の全ては無限乱雑空間の一部であり、その最終的な存在理由は「偶然」である

 一般に、起こり得る出来事の組み合わせが有限であれば、時間の流れが無限だとすると、同じ出来事は必ずどこかに含まれることになる(ニーチェの永劫回帰)。結局、世の中の全ては無限乱雑空間の一部であり、その最終的な存在理由は「偶然」である。 従って、哲学的な思考をどこまでも深く深く究めていくと、どこかで必然的に無意味に到達し、どこかで「現に存在してしまった、この世界」に折り返してくる必要がある。

自循論::無限乱雑空間

ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2) ツァラトゥストラはこう言った 下 (岩波文庫 青639-3) この人を見よ (新潮文庫)

2013-04-25

山崎正友著『池田大作 日本経済乗っ取りの野望』

 これは知らなかったな。まだ販売しているのだろうか?

創価学会問題討議資料 『池田大作日本経済乗っ取りの野望 社長会記録の解読より』

 ・社長会全記録
 ・創価学会が会員に絶対知られたくない最新情報

 以前、全文アップしたブログが存在したのだが既に消えていた。amazonの古本は1万7000円というふざけた値段が付いている。

社長会全記録 人間・池田大作の野望

対話が勧誘・宣伝に転落する


 プロパガンダは人間を手段化する。宗教者の言説がいかがわしいのは、布教という目的をひた隠しにしながら美辞麗句を連ねるためだ。猫がネズミを窺うような視線で対話などできるわけがない。

読み始める

シャノンの情報理論入門 (ブルーバックス) ツァラトゥストラ〈1〉 (中公クラシックス) ツァラトゥストラ〈2〉 (中公クラシックス)

2013-04-24

公明党運動員2人を略式起訴…菓子配り投票依頼

 松本区検は23日、昨年12月の衆院選の際に菓子を配って公明党への投票を呼びかけたとして、それぞれ運動員で、長野県松本市、無職井上みや子(83)と浜松市、無職加茂賀枝(よしえ)(55)の両容疑者を公職選挙法違反(買収)で松本簡裁に略式起訴した。

 起訴状によると、2人は12月16日投票の衆院選で、比例選北陸信越ブロックで公明党の候補者を当選させる目的で、同月6日に松本市の女性方など10か所で有権者10人に対し、公明党に投票してもらう報酬として、菓子など計28点(販売価格計6350円)を配った、とされる。

 捜査関係者によると、両容疑者は「当選させたかった」と容疑を認めている。

 菓子などを受け取ったとして同法違反(被買収)で書類送検された男女10人については、長野地検松本支部が23日、不起訴とした。

 比例選北陸信越ブロックには公明党から、党国会対策委員長の漆原良夫氏と新人の田島公一氏が立候補。漆原氏が6選を決めた。党県本部は「事実関係を確認している」としている。

読売新聞 2013-04-24

 九州の創価学会員は全員つかまってもおかしくない。それにしても1点あたり227円、1人に対して635円でも起訴されるんだね。びっくりしたよ。

 犯罪者を自主退会させるのが創価学会の手口であるが、選挙違反の場合はどうなのか? 責任ある立場の人間がつかまれば直ぐさま連座制が適用される。ま、政権与党のうちは大丈夫なんだろうけどね。

現実にパラダイムシフトを促してきたのは科学

人生ブラウン運動説

 何だかいい加減なこと、あいまいなことだらけで、私たちが信じてきた「整然とした自然」とは正反対ですが、それが自然の本当の姿なのだと、量子論を築いた物理学者たちは考えました。量子論は、物質や自然がただ一つの状態に決まらずに非常にあいまいであることを、そしてあいまいさこそ自然の本質であることを私たちに示したのです。

【『「量子論」を楽しむ本 ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる!』佐藤勝彦監修(PHP文庫、2000年)】

「あいまいさ」とは不確実性・乱雑性を意味する。カオス理論では「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる」ことがあり得る。

 ゲーデルの不完全性定理やハイゼンベルク不確定性原理以降、世界は変わったのだ。

 運命論者や宿命論者は決定論や因果律にこだわりながら、科学的現実を無視しているように見える。

 釈迦の非我説は、詳しくは五蘊(ごうん)非我説といいます。

【『仏教の謎を解く』宮元啓一(鈴木出版、2005年)】

 そもそも五蘊仮和合(ごうんけわごう)と因果に整合性があるかどうかを考える必要があろう。

 量子もつれ(量子絡み合い)は縁起と捉えてよいと思われるが、量子ゆらぎは因果に反する。しかしながら宇宙は量子ゆらぎから誕生(インフレーション宇宙論)し、現在では脳による意思決定も電気的ゆらぎと考えられている。

「生の本質は反応である」というのが私の持論だが、人生とは人それぞれが勝手な反応を繰り返すブラウン運動であるように思われる。本来バラバラの反応が大きな方向性に傾くのは熱が加わったためと考えられる。

「量子論」を楽しむ本―ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる! (PHP文庫) 仏教の謎を解く

群れから離れる

2013-04-23

信者体質

2013-04-22

他人に従属しない独立自由


ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

活字文化の担い手「新聞配達員」を救え!

そこで安全衛生情報センターの死亡災害データベースを見ると、「新聞販売業」の死亡事故は

平成15年 50件
平成16年 54件
平成17年 60件
平成18年 45件

と推移している。このうち大半は新聞配達中の事故である。平成16年の業種別死亡災害は「商業」が145件であるから、三分の一以上を新聞販売業が占めている。これは死亡事故だけの話であって、これ以外に多くの怪我人が出ている。新聞販売業が含まれる「小売業」の労働時間あたりの死傷事故度数は2.76であるが、これは全産業の1.78を大幅に上回る。また、配達員が人に怪我を負わせるケースもあるだろう。人の命と引き換えにしてまで、新聞を家で読みたい人がどれほどいるのか、真剣に検討せねばならない。

安冨歩〈やすとみ・あゆむ〉】

 この数字に聖教新聞や赤旗の配達員は含まれているのだろうか?

安冨歩

2013-04-21

全面対決! 創価学会 vs. 総本山


 その後、バス会社の副社長が自殺した。経済的影響力の大きさから、経済問題として考え直す視点があってもよいと思う。

公明党のマルチ商法


 思わず吹き出してしまった。

小林秀雄「信ずることと知ること」

小林秀雄の歴史的名講演






2013-04-20

「足手まとい」か、惑う公明

「公明党の党首はいまだに国民的イシュー(問題)とは思わない、と発言している」。首相の安倍晋三が政権発足後初めて臨んだ17日の党首討論。日本維新の会の共同代表、石原慎太郎は憲法改正に慎重な公明党代表の山口那津男を前に、安倍を挑発した。

「あえて忠告しますが、必ず公明党はあなた方の足手まといになりますな」。安倍は黙って聞いた。

 維新が3月末の党大会で訴えた夏の参院選に向けた目標は「自公両党の過半数阻止」と「憲法改正の発議に必要な3分の2以上の議席獲得」。一見、矛盾しそうなこの2つの目標から透けるのは、選挙後に憲法改正に積極的な自民とみんなの党、民主党の一部の勢力と連携し、憲法改正を軸に主導権を握る戦略だ。(以下略)

日本経済新聞 2013-04-19

 自民党からすれば、「下駄の雪」が重たくなってきたということなのだろう。公明党の議員には「政治家としての意志」がない。そもそも政治家を志したわけではなく、ただ単に教団から選抜された人々だ。つまり彼らは教団の意志に従う。そこを石原慎太郎は突いたのだろう。

『怒らない人』辛淑玉〈シン・スゴ〉

小林秀雄の歴史的名講演





 茂木健一郎が絶賛し、池田晶子が崇拝した講演である。

小林秀雄講演 第2巻―信ずることと考えること [新潮CD] (新潮CD 講演 小林秀雄講演 第 2巻) 小林秀雄全作品〈26〉信ずることと知ること

脳と仮想 (新潮文庫) 遠野物語・山の人生 (岩波文庫) 故郷七十年 (のじぎく文庫)

小林秀雄「信ずることと知ること」
小林秀雄

2013-04-19

かつて誰も問うたことのない問い

 数学者の世界における最上位の知的エリートは、新しい地平を切り開き、かつて誰も問うたことのない問いを発する人たちだ。

【『完全なる証明 100万ドルを拒否した天才数学者』マーシャ・ガッセン:青木薫訳(文藝春秋、2009年)】

 これが真の発起衆(ほっきしゅ)だ。

完全なる証明

「説会の四衆」考
斧不一からの質問状

李下に冠を正すのも平気

2013-04-18

情報を額面通りに受け取る人は操作されやすい



2013-04-17

廃用症候群は心身にわたる


廃用症候群

鬱になりそうなとき…



精神疾患について
精神疾患に関する覚え書き

2013-04-16

東晋平氏の日本仏教瞥見。「本地垂迹」から「神本仏迹」へ……国家や民族を超える普遍性を日本仏教はどのように喪失したのか


 氏家さんがまとめたもの。さすが晋平兄さん、要点がわかりやすい。私は神道に暗いため軽々しいことはいえないが、アジアに共通するアニミズム思想(精霊信仰)は重要なものと考えている。例えば日本仏教の山川草木(さんせんそうもく)にまで及ぶ一切悉有仏性(いっさいしつうぶっしょう)という考え方には明らかなアニミズム思想を見てとれる。

呪術を捉え直す
安田喜憲

一神教の闇―アニミズムの復権 (ちくま新書) 音と文明―音の環境学ことはじめ ―

論破されて納得した人



2013-04-15

正気と狂気





クリシュナムルティの日記

2013-04-14

「芯の柔らかい」利他主義

 例を三つ挙げておく。(1)集団が貧しいほど、その代償の一形態として、集団ナルシズムを使う傾向が強い。(2)集団が大きいほど、それと同一化することによって個人の得ることのできるナルシスチックな満足は低下し、集団のきずなは弱まり、さらにまた、個人がその集団内の下位集団に同一化してしまう傾向が強くなる。(3)国家の一部分にとどまっている際には均質なように見えるある地域に、実は何らかの形の小集団が既に存在しているとすれば、仮にその地域が独立してしまうと、もはやかつての均質性は維持できなくなる。独立によって政治的境界が一段せばめられたことに反応して、当該地域の人々は、さらにもう一段下位の集団に、自己同一化しようとするからである。
 以上を要約すると次のように言える。すなわち人間にみられる「芯の柔らかい」利他主義には、強烈な情緒と同時に、忠誠関係形成の変幻自在性という特徴が備わっているのである。人間は、社会的道徳を所持するという点では常に一貫しているのだが、その道徳を誰に適用するかという件に関しては、この上なく移り気な存在なのである。絶対不変と信じられている道徳的規則に対して強い情緒的な訴えを行ないながら、同時にいとも簡単に同盟関係を形成し、破棄し、そしてまた別の相手と結び直すという事実の中にこそ、人間の社会性の、たぐいまれな性格があるのである。おそらく氷河期以来ずっと同じだったのであろうが、今日においても、仲間集団とよそもの集団の区別は大変重要である。
 しかし、この両者を分かつ境界線は簡単にあちこちへ移動してしまう。プロスポーツは、このような基本的現象がいまも消滅せずに我々につきまとっていることを土台にして栄えているのだ。

【『人間の本性について』エドワード・O・ウィルソン:岸由二〈きし・ゆうじ〉訳(思索社、1990年/ちくま学芸文庫、1997年)】


物事に失敗した集団は最も邪悪な行動に走りやすい
一体化
怠惰とナルシシズム

人間の本性について (ちくま学芸文庫) 走る哲学 (扶桑社新書)

読み始める

世界の名著1 バラモン教典 原始仏典

インフォメーション: 情報技術の人類史 一四一七年、その一冊がすべてを変えた 数学者たちはなにを考えてきたか

名人に香車を引いた男―升田幸三自伝 (中公文庫) 人間の叡智 (文春新書 869) アメリカ殺しの超発想―「奴隷」日本よ、目を醒ませ!制度疲労をすぐ正せ!

憲法96条改正に異論あり~小林節


小林節

2013-04-13

イラク戦争から10年 発生率14% 増加する先天異常


イラク戦争から10年 発生率14% 増加する先天異常 投稿者 tvpickup

過去の栄光や過去の経験則

全人類が出家すべきだ


僧侶は必要か否か?

2013-04-12

言葉は真理に非ず


 言葉の本質は翻訳機能にある。言葉というシグナル――あるいはシンボル――を双方が手繰り寄せながらコミュニケーションは成り立つ。つまり言葉は手段なのだ。それを不変の教義に仕立てあげたところに啓典宗教の欺瞞がある。日蓮が経典を重視したのは、印刷技術のない時代において法論(=対話)の土壌をつくるためであったと思われる。

宗教には啓典宗教とそれ以外の宗教がある/『日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか』小室直樹

2013-04-11

「信念をもっている限り体験は無意味」である

 河童ーかわわっぱーで紹介してもらったのでリンクしておく。

「信念をもっている限り体験は無意味」である

 ・体験談

理論は人格と必ずしも分離していない

 宮田幸一のホームページが更新された。せっかくなんで少し覚え書きを残しておく。

研究雑感 東洋哲学研究所所報第3号 1989

 さて哲学においては真理の探求という大義名分のもとで、いかなる哲学者の学説に対しても、その学説が真理である根拠とは何かと問うことが許されている。プラトンは師ソクラテスの説の不十分性を自覚していたから、イデア論を構想したし、アリストテレスはまた師プラトンのイデア論の不十分性を、様々な分析において示している。理論はそれを主張した哲学者の人格的評価とは別の運命をたどることになる。ところが哲学と同じような人間の営みの一種である宗教の場合は事情が多少異なっているように理解されているようだ。つまり理論は人格と必ずしも分離していないのである。それは宗教が人格的救済を存在理由の一つにしており、特に創唱宗教の場合は、創唱者の思想は創唱者自身の人格において実現され、その人格がモデルになるからであろう。したがって創唱宗教の場合は創唱者の思想は絶対視され、その思想にいかなる根拠があるのかと問うことは、その創唱者に由来する教団においては、創唱者への人格的冒涜であると見なされやすい。

 ま、人本尊の問題といってよい。本尊の意味も改定する必要があろう。「【私が】根本的に尊敬する対象」で構わない。例えば私はクリシュナムルティを尊敬している。ブッダと同じレベルの尊敬だ。通常であれば、まず最初にクリシュナムルティという人格への傾倒がある。次に彼を彼たらしめている思想を私が生きるために理論化を試みる。これが人法の基本的な考えである。

 極端に抽象化してしまえば人も法も情報である。人とナリ、あるいは思想を第三者に伝えるものは「言葉」である。とすれば人も法も言葉であり、これすなわち情報である。

 人も法も【解釈された情報】であり、あなたが考える日蓮と私が考える日蓮は別人である。そもそも共通する一つの世界が目の前にあるわけではない。世界とは【私が】五官によって感受し得る情報にすぎないからだ。つまり世界といっても解釈された情報であり、もっといえば我々が生きるのは「【私による】解釈世界」なのだ。

 我々はみな、ひとりひとりが、自分が自分のあり方として想像したもの、そして相手から想像されたものとして存在している。

【『ジェノサイドの丘 ルワンダ虐殺の隠された真実』フィリップ・ゴーレイヴィッチ:柳下毅一郎〈やなした・きいちろう〉訳(WAVE出版、2003年/新装版、2011年)】

 創価学会第二代会長の戸田城聖は教員時代にこれを教えようとして「犬の欲しい者はいるか?」と児童に呼びかけ、その後で黒板に「犬」という文字を書き「欲しい者は持っていきなさい」と語った。小学生に抽象概念を教えようとする試みが素晴らしい。

 私が見る赤とあなたが見る赤は色が異なっている。こうした事実も既に認知科学で明らかになっている。

 人それぞれに解釈があるわけだから、教義にまつわる解釈問題などケリがつくはずもない。皆が自分の正当化を欲しているだけのことだ。

 宮田の言わんとするところは理解できる。ただ、そのような改革を積み重ねたところで宗教的真実に近づくことはできないだろう。やはり反逆するのが最も近道だ(笑)。

 遠慮なくものをいうことは、一つの知的義務である。

【『思想の自由の歴史』J・B・ビュァリ:森島恒雄訳(岩波新書、1951年)】

 私としては鎌倉時代の教えをそのまま信じることの方がはるかに問題だと思えてならない。日蓮の言葉にブッダの初期経典ほどの普遍性はない。文句がある奴は日蓮の思想を一言でいってみせろや。結局のところ、「何も考えずに御本尊を拝め」みたいな展開になってしまう。

 あらゆる宗教がキリスト教と同じ轍(てつ)を踏んでいる。そこに宗教の本質があるのだろう。

 完全性を求めるのは自分の不完全さを補うためである。少しばかり不完全であったとしても自分の余剰で補えばいいだけのことだ。

自由とは良心に基づいた理性/『思想の自由の歴史』J・B・ビュァリ

思想の自由の歴史 (岩波新書)

2013-04-10

チリのアジェンデ政権とCIA工作

ピノチェト政権






サルバドール・アジェンデ


『禁じられた歌 ビクトル・ハラはなぜ死んだか』八木啓代〈やぎ・のぶよ〉





【帝国アメリカと中南米】ラテンアメリカに敵対するアメリカ帝国とCIA【第一部】
【帝国アメリカと中南米】ラテンアメリカに敵対するアメリカ帝国とCIA【第三部】


経済侵略の尖兵/『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』ジョン・パーキンス



 そのアメリカと闘い抜いたのがウゴ・チャベスであった。

パトリシオ・エイルウィン
キッシンジャー

CIA秘録〈上〉―その誕生から今日まで (文春文庫) CIA秘録〈下〉―その誕生から今日まで (文春文庫)

2013-04-09

人の言葉に従う


自己の変容 新装版 自己の変容 クリシュナムルティ対話録
(※左が新装版、右が旧版)

 自由がなければ創造することができない。

組織宗教からは模倣人間しか育たない

2013-04-08

軍歌には国威発揚のための単調かつ一方的な響きしかない


比企尼(ひきのあま)

 比企尼(ひきのあま、生没年不詳)は、平安時代末期の女性。武蔵国比企郡の代官で、藤原秀郷の流れを汲む一族である比企掃部允の妻。源頼朝の乳母。実名・父母は不明。(Wikipedia

【比企能員】〈ひき・よしかず〉源頼朝の乳母である比企尼の甥で、のちに養子となる。
 比企尼の縁から鎌倉幕府二代将軍・源頼家の乳母父となり、娘の若狭局が頼家の側室となって嫡子一幡を産んだ事から権勢を強めたが、能員の台頭を恐れた北条時政との対立により比企能員の変(比企の乱)が起こり、比企一族は滅亡した。(Wikipedia

【比企能本】〈ひき・よしもと〉建仁元年(1202年-?)は、鎌倉時代前期の僧。比企能員の末子。法名は日学妙本。比企大学三郎能本。
 建仁3年(1203年)、鎌倉幕府における比企氏と北条氏の対立による比企能員の変で父能員と一族が滅ぼされるが、能員の妻妾と2歳の男子は助命され、和田義盛に預けられたのちに安房国へ配流となった(『吾妻鏡』)。(Wikipedia

比企氏
比企大学三郎能本

2013-04-07

ピノチェト政権



アウグスト・ピノチェト
チリ・クーデター
サルバドール・アジェンデ
チリのアジェンデ政権とCIA工作

禁じられた歌 ビクトル・ハラはなぜ死んだか

2013-04-06

マルクス主義の敗北


 マルクス主義はキリスト教から生まれた。とすれば創価学会から生まれた公明党は、形を変えたマルクス主義の可能性がある。宗教から派生したものは、宗教の限界性によって必ず頭打ちとなる。

 私が書いた「宗教化」とは特定の宗教(=イデオロギー宗教)を意味しない。万人に共通する宗教性や宗教的感情を指したものだ。

2013-04-05

仮面ライダーのショッカー化



原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―

2013-04-04

謡蹟めぐり 日蓮上人に関する謡蹟

日蓮上人に関する謡蹟 1
日蓮上人に関する謡蹟 2

悪は倒して排除するのではなく改心させる


 八王子の入会勤行会で「打倒、日顕!!」の御祈念板を見た時の衝撃を忘れることができない。初老の副区長に「引っ込めるべきだ」と進言したところ、「“打倒、日顕”の精神を訴えることが大切だ」と言われた。意訳をすれば、「私には組織で波風を立てるようなことは言えないよ」ということだった。新たな人生を切り開こうとする新入会メンバーに憎悪を植えつけるのが創価学会の流儀だ。

2013-04-03

地獄のような環境であっても、そこから逃れることができない

世界の至る所に「地獄」があるが、逆に言えば地獄ではないところもあるのだから、そこに逃れるべきなのだ。

しかし、残念ながら、多くの人たちはそれができない。だから、国に翻弄され、社会に翻弄され、時代に翻弄されながら、地獄をさまよいながら生きていくことになる。

あなたは、どうだろうか?

ブラックアジア

「会合地獄」「マイ聖教地獄」(笑)。

人の批判は自己紹介だ



自閉症児を「わかる」努力/『自閉症の子どもたち 心は本当に閉ざされているのか』酒木保




ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫) 自閉症の子どもたち―心は本当に閉ざされているのか (PHP新書)

2013-04-02

『超訳 日蓮のことば』松岡幹夫(柏書房、2013年)

超訳 日蓮のことば

 日蓮の最大の特長は、あらゆる問題に立ち向かう活力を与えてくれる点にある。これまでの仏教書は単に、「癒し」、自分が慢心に陥らぬよう「自省」を求めたり、何か新境地を開こうと「発想の転換」を求める人たちのものにすぎない。では、次に何をすればよいのだろうか。その答がここにある。今の日本を日蓮が見たら、一体何を思い、何を語るだろうか。それを中心に100の名言を超訳で伝える。

2013-04-01

『バガヴァッド・ギーター』と「生死一大事血脈抄」

 すべての欲望を捨て、願望なく、「私のもの」という思いなく、我執なく行動すれば、その人は寂静に達する。(七一)

 アルジュナよ、これがブラフマン(梵)の境地である。それに達すれば迷うことはない。臨終の時において、この境地にあれば、ブラフマンにおける涅槃に達する。(七二)

【『バガヴァッド・ギーター』上村勝彦訳(岩波文庫、1992年)】

大乗仏教は仏法を啓典宗教化し、密教による様式化(儀式性)はヒンドゥー教への先祖返りであると私は考えている

 その証拠を一つ示そう。

 相構え相構えて強盛の大信力を致して南無妙法蓮華経臨終正念と祈念し給へ、生死一大事の血脈此れより外に全く求むることなかれ、煩悩即菩提生死即涅槃とは是なり、信心の血脈無くんば法華経を持つとも無益なり(生死一大事血脈抄)

 真蹟なき日蓮遺文は後世の創作である可能性が高い。そして一様に他の日蓮系教団との差別化をはかって崇拝様式を強調する。私はこれを「ヒンドゥー化」と名づける。上記文章の酷似からも窺えるだろう。日蓮マンダラに「梵」の字があることも偶然ではあるまい。

 スピリチュアルな色彩を強め、具体的な行動(=修行法)へと駆り立てるのが特徴といえよう。つまりファンダメンタリズム(原理主義)傾向が強化されるのだ。その意味において大衆部プロテスタントは異母兄弟みたいなものだ。

 もちろんこうした背景に需要(=機根)があることは確かで、社会(コミュニティ)形成の変化に原因があると考えられる。教義の変遷は表面的な現象であって、その本質は内外(脳と社会)のネットワーク構造の変化にある。

日蓮大聖人と最蓮房
最蓮房について(1) - 地下者覚書 - 楽天ブログ(Blog)
最蓮房について(2) - 地下者覚書 - 楽天ブログ(Blog)

 個人的には真蹟がない以上、最蓮房の存在を問うこと自体がナンセンスだと思う。ま、日蓮的【思想】の追求であれば別に構わないのだが。

『バガヴァッド・ギーター』を読むと、真のユダヤ教徒を目指したイエスとブッダの姿が重なる。両者には宗教を創始した自覚はなかったことだろう。

バガヴァッド・ギーター (岩波文庫)

マントラ、儀式、経典、偶像の中に宗教は存在しない
快楽中枢を刺激する文体/『バガヴァッド・ギーター』上村勝彦訳

春の語源