2015-08-24

反逆の精神

Q――環境と闘っているかぎり、生に平和がありうるのでしょうか。

 環境とは闘わなくてはならないでしょう。打ち破らなくてはならないでしょう。親の信じていること、社会的背景、伝統、食べ物の種類、そして宗教、宗教家、豊かな人、貧しい人というようなまわりのもの――そのすべてが環境です。そして、環境に問いかけ、反逆することによって、環境を打ち破らなくてはならないでしょう。君が反逆していなくて、単に環境を受け入れるだけなら、そこには一種の平和がありますか。それでは死の平和です。ところが、環境を打ち破り、何が真実なのかを自分で見出すために闘うならば、単なる停滞ではない異なった平和を発見するでしょう。自らの環境と闘うことは不可欠です。闘わなくてはなりません。したがって、平和は重要ではないのです。重要なのは環境を理解して、打ち破ることなのです。そして、そこから平和は訪れます。しかし、環境を単に受け入れることによって平和を求めるならば、眠ってしまうでしょう。それでは死んだほうがましでしょう。それで、君には本当に幼い頃から、反逆の精神がなくてはならないわけです。そうでなければ、衰退するだけでしょう。

【『子供たちとの対話 考えてごらん』J・クリシュナムルティ:藤仲孝司〈ふじなか・たかし〉訳(平河出版社、1992年)】

 ただしクリシュナムルティは運動も組織も否定する。彼は「あなたが世界だ」と言う。だから自分が反逆すればそれでおしまい。反逆に即して発見と理解がある。より具体的には「生の葛藤」を乗り越えることと言い換えてもいいだろう。

子供たちとの対話―考えてごらん (mind books)

クリシュナムルティ