2015-06-13

福田ますみ著『でっちあげ』はでっちあげか?

 福田ますみ著『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮社、2007年/新潮文庫、2009年)は新潮ドキュメント賞を受賞している。私も読んだが面白いノンフィクション作品であった。体罰教師とのレッテルをでっち上げたのが実はモンスターペアレントだった、という内容だ。本書は民事訴訟の一審判決後に刊行されたが、一審・二審ともに教師の不法行為が認定され、福岡市の賠償責任を認める判決となった。尚、二審では賠償額が330万円に引き上げられている。以下に関連リンクを紹介する。

福岡市「教師によるいじめ」事件
でっち上げで見にくい言い訳:福岡児童虐待教師
福田ますみによるフォロー記事:『でっちあげ』事件、その後

 公明新聞(公明党)は2007年8月3日付の「主張 モンスターペアレント問題 「子どもの幸せ」を第一に」 でこの問題を取り上げている。この記事では「原告側のねつ造が暴かれ、07年3月、原告敗訴が確定した。」「5800万円の損害賠償請求も棄却」などと事実に反する内容を掲載している。しかし記事で「原告敗訴が確定」と指摘した2007年3月時点でも、記事が書かれた2007年8月時点でも、裁判は控訴審で継続中だったので「確定」は事実に反する。また原告側(被害者)の捏造自体が存在しないので、存在もしない「捏造が暴かれ」ようもない。「原告敗訴」と称するものが2006年7月の一審判決のことを指していると解釈しても、同判決では林田によるいじめの事実関係も賠償も一部認められているため、「被害者側の捏造がばれて全面棄却された」かのように描くのは明らかに誤りである。

福岡市立小学校教諭の児童いじめ事件

 更には著者と教師が創価学会員であるという説まで浮上している。

林田真二の児童いじめ事件:あるブログ上でのコメントから

 真相はわからない。ただ、福田の著作が完全なデマであれば当然訴えられているはずだ。「2013年、福岡市人事委員会は『いじめ』の事実は認められないとして、懲戒処分を取り消した」(Wikipedia)。ますますわからなくなる。

でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相 (新潮文庫)